お客様の声
株式会社日本総合研究所

今回のプロジェクトに携わっているメンバー左から
- 日本総研様 DXシステム本部 柏木康寛さん・DXシステム本部 本部長 蝶採トックディルさん
- アジケ サービスデザイナー 原菜奈美 / 浜野真一・取締役 神田淳生

デザイナーのキャリアパス設計およびデザインプロセスの標準化をご支援

ご相談の背景(課題)

自社内のデザイン組織(ディスカバリーチーム)の拡大・強化に取り組むにあたり、専門家の力を借りたい

プロジェクト内容

1)デザイナーのキャリアパスおよび評価指標の設計支援
2)デザインプロセスの標準化支援

成果

・キャリアパスや評価指標が体系化され、キャリアを考える際の指標が生まれた
・プロセス標準化を通して、チーム内の知見の共有が促進されただけでなく、専門家の知見も加わる形で体系化された

経営理念に「お客様価値共創」を掲げ、多彩なサービスを展開する株式会社日本総合研究所(JRI)。同社DXシステム本部では2019年以降、顧客のデジタルサービス創出を、UX/UIデザインを中心に幅広く支援するチーム(ディスカバリーチーム)の立ち上げ・強化に取り組んできました。今回アジケでは、同チームのキャリアパスおよび評価指標の設計とデザインプロセスの標準化、2つのプロジェクトをご支援しました。この取り組みについて、担当者のお二人にお話をうかがいました。


2020年設立。デザインの力でデジタルサービスの創出を目指す


— 最初に改めて、お二人が所属するディスカバリーチームのミッションと、取り組み内容について教えてください。
蝶採さん
私たちのチームでは、お客様が新規デジタルサービスの創出および既存サービスの改善をする際、UXデザイン等の手法を用いてそれを支援する役割を担っています。古い固定観念や既存の枠組みに囚われることなく、エンドユーザーに寄り添いながら新しいデジタルサービスを創出することが私たちのミッションです。

柏木さん
2019年頃から前身となる活動がはじまり、2020年7月にディスカバリーチームが発足しました。当初はメンバー3人でのスモールスタートでした。

— 立ち上げ以来、チームとしてのフェーズはどのように変化してきましたか?

蝶採さん
UX/UIデザインは今、デジタルサービス領域において大変ニーズが高い仕事です。チームを立ち上げてから2年の間、グループ内各社、特に三井住友銀行からさまざまな依頼を受けて実績を積み重ねてきました。そのプロセスの中で、グループ内での認知度も高まりつつあります。その一方で、すべてを社内のデザイナーだけで対応することは難しいため、パートナー企業と組んで各プロジェクトを進めてきました。
(蝶採トックディルさん)
(柏木康寛さん)

チームを強化・拡大するため、外部の専門家をアサイン


— 今回、デザイナーのキャリアパス設計およびデザインプロセスの標準化を行うにあたり、アジケにお声がけいただきました。その背景にはどのような課題があったのでしょうか?
蝶採さん
これまではチームの規模が小さかったため、キャリアや仕事の仕方に関してはある程度、個々人の裁量に任せていました。しかしチームを拡充していくにあたり、改めて、ディスカバリーチームで働くデザイナーの将来的なキャリアパスを適切に定義しておく必要があると考えたのです。メンバー数が増えてチームが大きくなればなるほど、コラボレーションを効率的に行い、品質を維持・向上するためのデザインプロセスの標準化も不可欠です。

そこで今回、外部の専門家と組んで、デザイナーのキャリアパス設計とデザインプロセスの標準化、2つのプロジェクトに取り組むことにしました。

— 外部パートナーとして、アジケを選んでいただいた経緯と、決め手を教えてください。

柏木さん
アジケさんは以前から三井住友銀行と取引実績があり、私たちもその評判を耳にしていたんです。SMBCグループの文化やプロジェクトの進め方、デザインの方針、考え方などを前提として理解してもらえている点がとても大きかったです。

蝶採さん
完全にゼロから取引をスタートしようとすると、お互いにコミュニケーションを取りながら理解を深めてもらうために、どうしても多大な時間が必要となってしまうんですよね。そのハードルをすでにクリアしていること、UX/UIデザイン領域の専門家として豊富な知見を持っていることを踏まえて、今回お声がけしました。

キャリアパスと評価指標が明確になり、客観的な基準が生まれた


— まずは2022年7月〜2022年9月にかけて、デザイナーのキャリアパス設計をご支援しました。本プロジェクトはどのように進めていったのでしょう?
浜野(アジケ)
まず、アジケがディスカバリーチームについて丁寧に教えていただくところからスタートしましたね。チームのミッション、関わりの深いステークホルダー、現状の評価制度などの全体像をヒアリングした後、典型的なプロジェクトのパターンやそのプロセス等を整理しました。

その後、メンバーのみなさん一人ひとりにお話をうかがい、どのような経験をされているのか、どんな課題を感じているのかなどを聞かせていただいていました。

そして、アジケが過去に行った実際のデザインプロジェクトの事例を用いて、ディスカバリーチームが目指す具体的な姿について両社で議論を行い、その状態を目指すために必要なデザイナーのスキルやキャリアパスを定義していきました。
(日本総研様の現状のデザインプロジェクトのパターンやプロセスを整理)
(チームの目指す姿を議論するために用いたアジケの事例)

— プロジェクトを進めていくプロセスで、印象に残っていることがありましたら教えてください。

柏木さん
一つひとつのプロセスにおいて、私たちが納得できている状態であることを確認しながら進めてくれていたことでしょうか。いただく資料や説明の仕方など、端々からその心遣いが伝わってきました。

そのためこちらがどの段階でどんな情報提供をすべきなのか、何を返さなければいけないのかなども明確で、プロジェクト自体がスムーズに進んだと思います。

蝶採さん
確かに作業的にはかなりボリュームがあったにも関わらず、短い期間でスムーズに対応いただきました。おかげで良いコラボレーションができたのではないかと思っています。

— 新たなキャリアパスと評価指標ができたことで、チーム内で何か変化はありましたか? また今後どのように活用していこうとお考えですか?

柏木さん
まずはチームメンバー個々人の立ち位置が明確に可視化されたことが、チームにとって一番の成果だと思います。

私たちには今何ができるのか、何が足りていないのか、どの部分を成長させればいいのかを把握しやすくなりました。これからチームとして新しい案件に取り組んだり、新たな領域にチャレンジしたりする際にも大切な基準になっていくでしょう。

また周りの人たちに対しても、ディスカバリーチームが果たせる役割やカバーできる領域を、誰もが理解できる形で説明しやすくなったと思います。
(チームに所属するデザイナーのキャリアパス)
(チームに所属するデザイナーのスキル要件の一例)
蝶採さん
さっそく、キャリアパスと評価指標は採用面談でも活用しています。これから必要な人材像を提示するのに加え、今のチームにどんなスキルを持ったメンバーがいるのか、客観的に紹介することが可能になりました。


実務で活用できる、チームにとっての「最適解」が形になった

— キャリアパス設計がひと段落した後、2022年12月からはデザインプロセスの標準化に着手しました。こちらのプロジェクトはどのように進めていったのでしょう?
浜野(アジケ)
このプロジェクトもまずは、現状の整理から着手しました。みなさんが実際にどのような流れでデザインプロジェクトを進めているのかを詳しくおうかがいし、それを一つひとつ可視化して体系化していく流れは、キャリアパス設計と同様です。

どのタイミングでどの職種の方が、どんなアウトプットを出しているのか。どこのプロセスに、どんな課題感を持っている人がいるのか。細かいところを紐解いていく作業ですね。
(日本総研様の現状のデザインプロセス/関係者/アウトプット/課題等を詳細に整理)
(アジケのメンバー:左から原菜奈美、浜野真一)

アジケが普段行っているデザインプロジェクトの進め方を踏まえたプロセスやアウトプットのご提案と、日本総研様ならではの制約を踏まえたご意見やご要望の受領を繰り返しながら、ディスカバリーチームにとって理想的なプロセスを探っていきました。

 

柏木さん
まさにその成果で、最終的に「ちゃんと(実務で)使えるもの」ができあがったと思います。

というのも、今まで一般的なデザインプロセスについて学び、試行してきたものの、はっきり見えていなかった部分、何とかその都度手探りでカバーしていた部分がとても多かったんです。「本当にこのやり方で正解なのか?」という疑問がぬぐいきれなかったといいますか……。

でも今回はアジケさんと議論を重ねる中で、今のディスカバリーチームにとって最適となるベストプラクティスを導き出すことができました。

 

蝶採さん
このデザインプロセスはあくまでも現時点のものですので、時代のニーズやビジネス環境の変化に合わせて、どんどん継続的にブラッシュアップしていく必要があると思っています。

ベースとなるデザインプロセスをこれからも常にアップデートしながら、取り組むプロジェクトごとに独自のルールなどをプラスアルファして、柔軟に運用していきたいですね。

 


外部パートナーとの協業で、チーム全体がレベルアップできた


— 今回のプロジェクトを通して、外部パートナーと協業する意義を感じていただけましたか?
柏木さん
やはり、自分たちが持っていない知見を補完してもらえたことは大きいですね。今回、アジケさんの力を借りることによって、自分たちが新たな知見を得て、レベルアップする機会が作れたと思います。

そもそも私たちにとって最も重要なのは、チームとしての価値を発揮し、エンドユーザーに向けて有用なサービスを届けることです。すべての業務を内製することが、優先すべき目的ではありませんから。

蝶採さん
私も同感です。グループの文化や考え方だけではなく、私たちディスカバリーチームの立場なども良く理解していただき、2つのプロジェクトを積極的に支援してもらいまして、感謝の気持ちで一杯です。

日本総研のディスカバリーチームとして、これから目指すこと

— これからディスカバリーチームは、どんな活動に注力していくご予定ですか?
蝶採さん
私たちはまだまだ発展途上で、これからどんどん拡大していこうと考えています。今後の取り組みたいことはたくさんあるのですが、ここでは4点、お話しさせてください。

1つ目は、トレーニングやワークショップなどを通じたメンバーのスキルアップです。今回キャリアパスも可視化しましたので、スキルアップによるチームの競争力強化に努めていきます。

2つ目は、チームの活動を定量的に評価することです。これからチームが拡大する中で、何をもって「パフォーマンスを発揮できている」と判断するのか。それを明確にしていきたいですね。

3つ目は、クリエイティブな仕事をしやすい環境の構築です。デザインの仕事で大切なのは、新しいアイデアを生み出し発展させていくことです。そのためにも、オープンでフラットなチーム環境を整えていきたいと考えています。

そして最後に4つ目、今後はグループ内だけではなく、対外的なディスカバリーチームの認知度も上げていきたいと思っています。引き続き優秀な仲間を得て、新たなビジネスチャンスを生み出すと共に、画期的でエンドユーザーにとって価値のあるサービスの創出を目指していきたいですね。
(日本総研様とアジケメンバー)

※インタビュー当時2023年7月の状況を掲載しております。

この事例の該当サービス

Applicable service

組織デザイン

デザイン組織開発支援

お客さま自らが組織やサービスの課題を解決できる状態を目指し、アジケがこれまで数多くのプロジェクトで培ったUXデザインの知見を用いたご支援を行います。

他のお客様の声・関連記事

Related contents

顧客にとって本当に価値のあるサービスを
アジケと共に創りませんか?

ご不明な点はお気軽にお問い合わせください
会社紹介資料をダウンロードする