「ヴェニスの商人」が生まれたキャッシュレスの世界


”キャッシュレス”がITによって実現されてきたという声をよく聞く。

では、”キャッシュレス”という概念は IT の発展によって生まれたのかといえばそうではない。

もともと、”銀行”がその機能を持っていた。いまのスマホによるキャッシュレスのやりとりはこの仕組の上にのっかったものだ。

口座を保有している人がいれば、本店であれ支店であれカードでお金を引き出せたり、オンライン、オフラインかかわらず振込手続きだけで商取引を完了させていた。
それがスマホでできるようになったということだ。

では、銀行がいつ生まれたのか?といえば紀元前3000年前。
バビロニア王朝で貴重品を預かり、穀物を貸し付けるなどが銀行の起源と言われている。

ただし、いまのような銀行の元になったのはイタリアの”Banco(バンコ、つまり銀行)という仕組みから生まれている。

※完全にいまの形になったのは17世紀のイングランド銀行。

大航海時代に進化したBanco(銀行)

中世ヨーロッパでは大航海時代の時に、大きな交流が生まれ文化や経済が大きく発展した。この時代が好きな人も多いだろう。

スペインやポルトガルなど、地中海での覇権を争うなかにはイタリアもいた。

当時イタリア商人は東方貿易でもうけていた。

香辛料、ワイン、陶器、織物など当時のヨーロッパで憧れと流行を生み出し、仕入れては売るということを繰り返していた。

中でも香辛料は持ち運がしびやすく、そして、食品の保存期限を増やす効能から薬の効果も期待され人気があった。

このような東方貿易は、複数の陸路と海路を通して行われた。
海路の方が当然大量の物を運べるということで、人気だったが、これには大きな危険が付き物。

難破したり、賊に襲われたりという危険があったが、リスクをとった分リターンも大きいということで商人はこぞって海路に挑戦した。
いまでいうスタートアップで挑戦する人みたいなイメージ。

この商人たちを助けるために、新たなソリューションを開発したものたちがいました。それがイタリアのBanco(銀行)。

危険があった時に現金を持っていなくても遠くまでいけるよ、商売ができるよというソリューション。

このソリューションがあるからこそ、いろんな経済の物語が生まれたんだと思う。

 「ヴェニスの商人」の有名な一節はキャッシュレス世界から生まれた

シェイクスピアの「ヴェニスの商人」がその物語のひとつだ。

読んだことがない人でも下の一節は知っているのではないだろうか。

登場人物は船で商売をする商人と、その船旅を金銭的サポートする金貸し。

「事情はわかった。金を貸そう。ただしもし返済できない場合はあなたの肉を一ポンドいただく。

「よし」と、ヴェニスの商人は応じた。

いま船に積んでいる荷物が売れればお金はきっちり返すことができる。しかし、そんな彼の元に届いた情報は船が全て沈んだという情報。

これによってお金を返すことができなくなった商人。
この件は裁判所で判決が決まることになった。

事前に裁判官は金貸しに「穏便にすませられないか?」という話をしたす、金貸しは頑なに応じまない。

ついに判決の時が来た。

商人の味方だと思われた裁判官は意外にも、「約束通り一ポンドの肉を切り取る事を許す」という厳しい判決を下す。

商人は失意どん底に。

そして、金貸しは商人の肉を削ぎ取ろうと剣に力を込め、商人ににじり寄った。

ここで裁判官が金貸しに向かってひとこと。

「肉は切り取っても良い、しかし契約に書かれておらぬゆえ一滴の血も流してはならぬ。」

裁判を見に来ていた市民含めて一同拍手喝采。

物語として大変おもしろい。

キャッシュレスの世界があったからこそ生まれた物語だと

当時は商人が商売を円滑にするためにBancoというサービスをフルに活用しただろう。

これは商取引において、信用と手形があるから成立するという世界だったのだろう。

翻って現代はインターネットを介して色んな商取引ができるが、この信用を基に売買するというBancoの仕組みが元になっている。

最近はブロックチェーンと呼ばれる新しい技術がこの信用のあり方というのを変える世界があるかもしれないと言われている。

個人的にはそんな世界もまた見てみたいなぁと思っている。
ついていけるかな?

先日、ブロックチェーンの世界をつくろうとがんばている人から「デジタルゴールド」という本をすすめられ、ふと思ったことを書いてみた。

デジタルゴールドの内容とはまったく関係なかったんだけどね…w






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梅本 周作 / ajike

UXデザイン会社ajike/アジケのCEO。USEN MediaのCXOも兼任。 味気ある仕事をしたいと思っています/デザイン組織づくり/二地域居住/レゲエ好き/たまにがんばります😐https://ajike.co.jp/
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